スーパーで買う魚は新鮮なのか?
2018/11/04
魚をスーパーや専門店で購入する場合、
お店で表示されている販促を促すPOPやシールで
どれを買うか検討される人が多いと思います。
築地より本日直送!!!
市場から直送!!
おそらく、一般の方にはどれも新鮮さを感じる謳い文句になると思いますが、
実際には魚が水揚げされて販売されるまでの物流を知らないだけであって、
仮に流れを知ってしまうのであれば、これらは全てあたりまえのことを
言っているだけです。
今日はおやすみだから、手をかけた魚料理を作ろうと考えたり、
家族の誕生日だからお刺身を作ろうと考えたり、
鮮度の良い魚を手に入れるために、あなたはどこで買いますか?
近所の行きつけのスーパーや魚屋さんがある方もいれば
おそらく少し遠出して、産地直売所などで買う方もいるでしょう。
今回はスーパーで売っている魚は、実際どのような流れで届いているのか、
また、できるだけ良い魚を買う方法を考えていきます。
スーパーに魚が届くまで
日本が水産国として、他国と違うところは、
とにかくたくさんの種類の魚が揚がるということです。
アメリカにいけば、タラやカレイ、カニなどが多いですし、
北欧にいけば、主な魚はサーモンになります。
日本のスーパーにいけば
マグロ
サーモン
サバ
アジ
ぶり
たい
などは当たり前にあるとして、
他にもいろいろな鮮魚が販売されているところを見ることができるでしょう。
これらは、海の浅いところを泳いでいるものもいれば、
底にペッタリと張り付いて泳いでいるものもおり、
もちろん漁法も違います。
日本では様々な場所で獲れた魚を、各地に配送できる物流が備わっています。
だから、北海道で獲れたサンマを九州で刺身で食べれたり、
逆に鯖の刺身を東京で食べれるわけです。
この機能は、おそらく世界でトップクラスです。
とりあえずは大衆魚として名前が通っている
アジ・サバについては、みなさんがもっとも馴染みがある魚の種類だと
思いますので、これらの魚について見ていきます。
①漁師さんが魚を獲りに行く
現在スーパに並んでいるアジ・サバはほとんどが、
大型巻網船と言われる、魚の群れを外側からぐるっと巻いて
とる手法を獲ります。
漁場は基本的には、水揚げ港から半日から2日ほどかかる距離にあり、
水揚げした後に氷水にしっかり入れて、陸揚げされます。
↓
②産地卸売市場の競り
水揚げされた魚は、水揚げ地にある市場にて競りにかけられます。
競りにもいろいろな方法がありますが、
基本は高い金額を言った業者が魚を買えるということです。
↓
③選別・箱詰め
買い付けされた魚は、業者によってサイズごとに選別され
発泡スチロールなどの箱に詰められて、出荷準備に移ります。
基本的にその日のうちに出荷が行われ、次の消費地卸売市場の開場に合わせて
届けられます。
↓
④消費地卸売市場に
日本の中で比較的大きな都市には
消費地卸売市場として機能を果たす市場があります。
その中のひとつが現在の築地市場になります。
そこでは大量の魚を処理する能力があり、
その時の状況に応じて、売ったり、販売を止めたり
需要と供給を調整する機能があります。
大都市の魚食文化を支えていると言っても過言ではありません。
↓
⑤小売業者(スーパーや鮮魚店、寿司店など)に
消費地卸売市場で買い付けされた魚は、当日の午前、
遅くても翌日には店頭に並ぶことになります。
そこでも日によっては売れる・売れない日があるので
当日で売り切れなものは、翌日に残したり上手に販売を行っていきます。
結局、漁師さんが魚を獲った後、私たちの口にはいるのは何日後?
結局のところ、今スーパーで並んでいる魚が
何日前にあがったものかを知ることは、おそらくできないでしょう。
なぜなら、魚は加工食品でバーコードがついているわけではないし、
消費期限なんてものもない。
いろいろな場所を介して、私たちに届けられるため
今のインフラでは詳しい流れを追うことは無理ですし
それらを補い、魚を良い状態で食べれるようにするために
市場・小売には魚のスペシャリストがいます。
ただ、どこの業界もそうであると思いますが、
とにかく人手不足が深刻な業界であり、この先も今のように
魚に詳しい人間が販売に携わっているかどうかはわかりません。
おそらくAIに変わられて、鮮度も品質も関係ない、安全な水産物、
たとえば食べても絶対に当たらない加工食品ばかりになることは考えられます。
じゃあ、どこで新鮮な魚を手に入れることができるか
ここであらかじめ知っていて欲しいことは、
新鮮=美味しさ
ではないことです。
魚は劣化していくほどアミノ酸が増えるため、
食べて美味しいのは、種類によりますが締めて数日後と言われています。
ただなぜ新鮮な魚がいいかというと、
鮮度が良いうちに料理してしまったほうが
幅が広がるということです。
加熱用の魚を刺身になんて使えませんからね。。笑
産地直売所にいく
獲れて数時間後のものが多いです。
漁師さんも市場に出すよりも収入になるし、
買う人も喜ぶというWIN-WINの関係になれるのではないかと思います。
ただ欠点としては、時化の場合は何もないということ。
また、一部には普通のスーパーのような経営をしているところもありますから
他県産の商品が並んでいると注意が必要です。
スーパーにいけば養殖魚とかは常にありますから、
しっかりと状況を理解するのが大事です!
漁師さん有りきの魚食ですからね!
おすすめの道の駅は、九州になってしまいますが、
「道の駅むなかた」がおすすめです。
道の駅むなかた
住所:福岡県宗像市江口1172
電話:0940−62−2715
ホームページ:http://www.michinoekimunakata.co.jp/
水揚げ状況がホームページに揚がるので
確認できるところがいいですね。
ケンサキイカが活きている状態でパック詰めされているところは
正直びっくりしました。。
通販サイトを使う
最近いろいろな産地で産地直送を行っている業者が増えています。
特に漁師さんが行っているところもあり、
宅急便で直送してくれることを考えると
あきらかに鮮度ががいい状態で来ることが目に見えています。
さらに、鮮魚流通では売れるサイズというものが
決まっており、それ以外は規格外として扱われます。
たとえばノドグロでも小さいと規格外だから市場に流れないなど、
本当に美味しい魚なのに、すこし小さいだけで売れないなどもったいないですよね。
※もとはというと、小さい魚はとるべきではありませんが、
獲れてしまうこともあるのです。
鮮度よく美味しく、しかも安く買えるなら
利用する手はないですよね!
ちょっと贅沢した時や魚好きで、
美味しい魚を食べたい時などに利用してみてはいかがでしょうか。
捌けなかったら近所のスーパーや料理屋さんに、
持ち込み可能か聞いてみるといいですよ!
意外とすんなりしてくれますから。